真昼の月

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『今でも大好きだから』 ストレートな言葉に、今すぐにでも会って、抱き着きたい気分だった。 いつもいつも相談に乗ってもらってたのに、一方的に裏切る形になってしまった。 お母さんが死んで、逃げるようにあの町を出て、今度にしようって思ってるうちにだんだん連絡しずらくなってしまっていた。 ケータイ電話をギュッと握りしめていると、知らず知らずのうちに涙が頬を伝い、鳴咽がもれる。 目を閉じるとすぐに美優の笑顔が浮かんだ。 連絡がきたことの嬉し涙か、連絡しなかった事の後悔の涙か、自分でもよくわからなかった。
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