おぼろ月夜

7/21
前へ
/97ページ
次へ
「そっちは学校じゃねぇぞ。」 突然腕をつかまれよろける。 「何?」 また、河口太陽だった。隣で堤翔平も呆れ顔で突っ立っている。 「またサボるのかよ。」 黙ってうつむくと腕を離し「ったく」と溜め息をつき「行くぞ」とさっきより強く腕を掴み引っ張られた。 「そんなやつ、ほっときゃいいじゃん。」 一歩後ろを歩く堤くんもダルそうだ。 けど言う通りだ。ほっといて欲しい。 「はなして。」 「そしたら帰るだろ?退学する気か?」 退学・・・。その言葉に抵抗しる力がなくなった。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

211人が本棚に入れています
本棚に追加