おぼろ月夜

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『高校を卒業する』 もう学校へは行かないつもりだった。 けど、お母さんの最後のお願いだから。 「おふくろがさ、お前に会いたがってた。元気してるのかしらね~って。」 「そう、元気って伝えて。」 ぶっきらぼうに応える。 「はいはい、うるさいくらいって伝えとくよ。」 投げやりに頷き、あたしの肩をポンとたたいて先に教室へと入っていく。クラスの中から「太陽おはよう」の声が響き、人気の高さを見せつけられる。あたしが入っても、誰ひとり振り向こうともしない。クラスで声をかけてくるのは太陽くらいだった。
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