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ハルク「…仕方ない人だね。報告していれば何かしら援助が出ただろうに…」
ヴィンテージ「………いいんだよ。妻にそうしてくれって頼まれたんだ。後悔は無い。」
ハルク「………そう。」
それ以上追求する気になれず、小さく頷いた。
彼らには彼らなりの事情があるのだろう。
ヴィンテージ「……話を戻すが……ハルク。そういう事情で、お前に協力を頼みたい。」
言われ、ハルクは頬に手をやった。
ただ協力するだけでは旨味が無い。
―――ならば、
ハルク「分かった。協力する。……でも…」
ヴィンテージ「……でも?」
ハルクは彼を真っ直ぐ見た。
ハルク「……もし、何らかの原因で構成が決壊した際。彼らを学園機関に入れる。……この条件を呑んで貰う。」
ヴィンテージ「……分かった。」
溜め息混じりに承諾した。
ハルク「賢明だね。君としては遺憾だろうけど、魔法使いである以上、仕方ないことだよ。」
言いながら、ハルクは腕にした時計を見た。
ハルク「――おっと、もうこんな時間か。悪いけど今日は泊めてくれないかな。」
ヴィンテージ「………好きにしろ。」
言って彼は紅茶を一気に飲み干した。
……それがやけに苦くて、彼は
また溜め息を吐いた。
◇―――◇―――◇
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