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翌日の明け方。
ハルクとアルビフィルドは、村の近くの空き地で魔法陣を描いていた。
別に魔法陣無しでも特に支障は無いのだが、構成を明確にするために、魔法陣の僅かな補助でも必要としたからだ。
そこで二人は黙々と魔導封殺の構成を編んでいた。
相当な力を持つ二人とはいえ、構成を編むには骨が折れる。
結局、編み上げるのに三時間程費やした。
ヴィンテージ「こんなものだな…」
ハルク「まあまあ上出来だね…」
二人はびっしょりと汗をかいていた。
どれだけ二人か集中していたかが伺える。
ハルク「……それで…子供たちは?」
言われ、ヴィンテージは傍らを指差した。
彼の子供三人が、寝ながら宙に浮いていた。
どうやら昨夜の内に睡眠術を施したらしい。
それを彼の妻が複雑な表情で見守っていた。
ヴィンテージ「……始めるぞ…準備はいいか…?」
ハルク「……いつでもどうぞ…」
頷き合い、アルビは三人を引き寄せた。
ちょうど魔法陣の中央に浮く。
呼吸を整え、構成の扱いに集中した。
ヴィンテージ「……数多る精霊たちに命ずる…」
ハルク「我ら、ここに楔を断つ…」
ヴィンテージ「汝ら、無粋な干渉は断じて許さん…」
ハルク「紺碧の理よ…!」
ヴィンテージ、ハルク『――魔導封殺!!!』
彼らの叫びとともに、魔法陣が輝きを帯びた。
膨大な構成が三人の子を取り巻く。
術者の二人から強大な魔力が放たれ、その構成を駆け抜けた。
太陽が一面を照らす昼日中。
三人の力を抑制する楔が築かれた。
◇―――◇―――◇
To be continued. ゛Page.2″
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