Page.1 mastery a seal

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    ハルク「…簡単に言うと、国から国立の学園機関に入らないかって言われてるって事。アルビの子供は三人居るから、その三人共に推薦が来てる。」     ヴィンテージ「…成る程な……つまり…魔法を学ばせろ……と。」     その問いにハルクは頷いた。     ハルク「…別に強要はしないよ。アルビや奥さんが自ら教えるならそれでいいし……これはあくまで、国から学費や環境等を支援しますよ。っていうお知らせ。子供たちに魔法を教えるなら申し分ない事だと思うけど?」       ヴィンテージ「………………」     彼は深く黙り込んだ。     そこに彼の妻が二つ紅茶を出した。     ハルク「…どうも。」     礼をし、紅茶を一口含んだ。     彼女はハルクに一礼をし、退室した。       それを見送り、紅茶を置いたハルクは彼の表情を伺った。     ――深く悩んでいる様子。       ハルク(当然か――)     ハルクは唇を噛んだ。     アルビは様々な事情があって、魔法が嫌いだ。     導師レベルの実力が十分有りながら、こんな辺鄙な土地に住んでいるのがその証拠だ。     彼の様子から察するに、子供たちに未だ魔法の事を打ち明けていないんだろう。     彼としては魔法を学ばせる事は頑として反対な筈だ。     ――しかし、子供たちが何かの拍子に魔法を発動してしまい、しかも制御出来ずに暴走なんて危険性を考えると、きちんと整備された学園に通わせて、正しい制御法を学ばせる事が必要だとも思っているんだろう。       ハルク(……どうする?アルビ?)     実は、この推薦状を出したのはハルクである。     ――ハルクは危惧していた。     彼の子供の存在魔力に。       なんせ両親が両親だ。     獅子から獅子の子が生まれるように、優れた魔法使いである両親から優れた子が生まれる可能性は非常に高い。     そんな子が自らの力を知らず暴走させたら、取り返しのつかない事態にも成りかねない。       だからハルクとしては是非に、彼の子供に魔法を学ばせたかった。    
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