誓いの花の元へ

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  それから、どれだけの月日が流れただろう。 少女はずっと彼を待っていました。 なぜなら、 彼は約束したから。 彼は誓ったから。 丘の上で。 花に 彼女に 口付けと共に。 だから、少女は待ちました。 彼女も彼に約束したから。 『ずっと待っている』と。 なのに。 彼は、まだ帰ってきません。 沢山の時が。 数えきれない程の時が流れても、彼は帰ってきませんでした。 それでも。 それでも彼女は待ちました。 涙など溢さず。 目印の花を枯らさないように。 花を守りながら、彼女は待っていました。 もう、 彼は帰ってなど来ないのに。    
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