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――――…まさか。
「…あ、の…今、何年ですか…?」
おそるおそる男達に問う。二人は目を見合わせ、原田と呼ばれた男が、
「あぁ?お前ぇ、大丈夫?変なとこでも打ったか?」
と、怪しむように聞いてくる。それには答えず、もう一度同じことをはっきり言った。
「今、何年ですか?」
必死だったのが伝わったのか、原田は戸惑いながらも教えてくれた。
「…今ぁ、文久三年だ。」
頭が真っ白になった。嘘だと思いたい。ここは平成ではない……?
では、あの布に書いてあったことは本当のこと。自分は今、過去…江戸時代にいるということなのか…
黙り込んだ狭夜を、訝しげに見ながら原田に男が話し掛ける。
「やはり、この者、怪しい。一度、屯所へ連れていって、詳しく調べたほうが良くないか。」
「そうかぁ?でも、一の勘は当たるしなぁ…。一応、連れていくか」
そう言って、二人は立ち上がり、原田が狭夜の腕を掴んで立たせようとする。
「ほら、とりあえず立とぉや。ここじゃ、落ち着いて話もできねぇし」
立ち上がった狭夜の腕から手を離さず歩き出す。引っ張られることに抵抗する力も沸かずされるがまま、ふらふらと付いていった。
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