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「チョウ蝉にも劣らぬ美貌の持ち主よ♪体も柔らかいのぅ~♪ヒッヒッヒ…」
董卓はあろうことか調子に乗り、片手で尻を撫でている。
「と、董卓様!!」
「ん?なんじゃ?張遼…」
「い、いえ…そろそろ戻られた方がよいかと…風も冷たくなってきました…」
張遼は言えなかった。触るな!と…
「そう言われると…だいぶ冷え込んできたな…よし、戻るぞ!そなた、名はなんと申すのじゃ?」
「……紅妖です」
「ウヒヒヒ…紅妖とな♪わしの馬に跨るがいい♪」
董卓…下心丸出し。
見かねた張遼はついに董卓に言った。
「お待ち下さい」
流石の董卓も今度ばかりは眉間に皺を寄せている。
「なんじゃ~!?」
「いくら捕虜とはいえ…まだ敵でございます。安易に心許す事は殿の命が危うくなります!」
「……何が言いたい」
「殿のお命守るために、紅妖殿は我が馬に乗せましょう。」
「何を言っておる!…さては張遼、紅妖が愛おしいのだな?そうはさせぬぞ!紅妖はわしのもんじゃ!!」
張遼も冷静な眼差しで董卓を見ている。真剣だった。
「ならば、探ってみましょう。紅妖殿が獲物を隠していないか。」
「な~に~!?」
すると張遼が紅妖に近づき、真剣な目で合図した。
すると!!
「…これで全部です。」
「うむ。」
取り出されたのは、鋭い刃物や毒物だった。
「な!なんと!!紅妖、わしを殺すつもりだったのか!」
元々敵だぞ…董卓。
「敵…ですので」
その後董卓は機嫌が悪くなったようで、一足早く、呂布を護衛に城へ戻って行ったとか。
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