第三章 来訪

4/5
前へ
/294ページ
次へ
「ちょ、無視かよ。人を何時間も待たせておいて…」 怒りながら言う奴に俺は足を止めて振り返りざまに言った。 「待たせた覚えはない。お前は一体何だ、ストーカーか!?」 と吐き捨てるかのように相手に返答する。相手は負けじと 「金を返してもらいたくて…」と先程よりも弱い口調で呟く。俺はその件のことをすっかり忘れていたことに気まずくなった。が悟られまいと表情を変えずに財布から万札を2、3枚取り出し乱暴に渡した。
/294ページ

最初のコメントを投稿しよう!

270人が本棚に入れています
本棚に追加