第三章 来訪

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相手はキョトンとした顔でこちらを見つめる。俺は色々文句を言ってやりたかったが、もう関わりたくない思いと車に乗りたい一心で背を向ける。すると背後からはっきりと 「足りないよ!」 冷静に返事をする男。俺は殺してやろうかと思うくらいの形相で男を睨みつけると、何食わぬ顔で駆け寄って来た。 「俺寒いし待たされて腹減ってるんだよね。何か食べに行こうよ。」 と、まるで友達に話すように提案してきた。本来なら一発ぶん殴って終わりなのだが、この際文句を出し尽くしてやろうと心に決めて相手の意見を飲み込んだ。
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