第一章 再会

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金曜はいつもより早めに仕事を切り上げる。と言っても午後10時を過ぎるのだが… 今日も上司や部下は我先にと退社する。先に帰ることを悪びれながらもきっと心の中では 「仕事が生きがい、出世の為だけのつまらない男」などと思っているのだろう。もちろん俺の立場を快く思わない者が社中にはいる。そのため敵も多い。別に気にもしない…時間の無駄だ。 ふと自分の前に人影があるのに気付く。入社1年目の白石が何か言いたげに立っている。 「何だ、またいたのか?」と俺は顔を上げずにめんどくさそうに言い放つ。彼は「いえ、何か自分も手伝えることがあればと…」と、気まずそうに答えた。 「ない!」 はっきり答えると彼は何も言わずその場を立ち去った。
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