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これから向かう先は唯一地元に一件ある「ゲイバー」ドルフィン。
そう…自分はゲイである。
言っておくがこの事は限られた人しか知らない。もちろん会社の連中は知らない。
ばれたら今まで積み重ねたものが音を立てて崩れていくのが分かっていた。本来ならゲイバーに来ることも自分にとっては好ましくない。地元だけあっていつ誰に見られているかも分からない。
しかしそんな犠牲を払ってでも来たい理由がそこにあった。素の自分をさらけ出せる空間なのだ。
入り口の前に立ち、ドアを開ける。古びたドアはギィーっと音を立て俺を迎え入れてくれた。
マスターがいつもの様に俺を一番壁際の指定席に案内する。
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