序章 不識時   <シラヌトキ>

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「コンコン」、余り意味を持たないがノックをして一応は返事を待つ、そして当然のごとく起きていない確認ができたので姫の部屋に入った。 するとそこには、布団にくるまって小動物のように丸まりながら眠る可愛らしい女の子の姿があった。 そしてその女の子こそが俺の愛しき姫、水瓦姫華(ミズガワラヒメカ)である。 とりあえず俺は、 「早く起きろ~ねぼすけ姫~いつまで寝る気だ~」 と声をかけたが一向に起きる様子は無かった。 それどころか「マンモス哀れな奴」とか「やれやれだぜ」などのなかなかに古くて懐かしいセリフを寝言で言っている。 本当に寝ているのか疑問になってしまうが可愛いので少しだけ見つめてから、 「いい加減に起きろ~さすがに怒るぞ~」 と俺は叫んだ。 すると予想以上に 「わにゃにゃにゃ~」 と何とも可愛らしい奇声を上げて起きた。
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