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💤💤。
ふと目を覚ますと…朝日の眩しさに眉間にしわを寄せ目を半開きのまま上半身を起こす。足を伸ばし座った状態のままゆっくり目を閉じる…頭がボォっとする。再び寝てしまいそうな程けだるい 全身の力が抜けきった感覚 脱力感と眠気の中、両手で瞼をこすり背伸びと同時に目を開いた。
!一気に目が覚めた!目の前は高さ1メートル以上あろう草が隙間なく生えている 目の前どころか自分の身体自体 草に覆われている 何を考えるよりも先に体が反射的に立ち上がった!
視界に入るのは自分の胸の高さ程ある草。草。草。辺り何処を見回してもビッシリ敷き詰められた草原 目を細め遠くを見ても同じ景色。草以外なにもない
ふと気付く
見回す限り同じ背の高さの草が立っている 東西南北すら分からないが前後左右見てみても同じ景色…不自然だ
下を見ると先程まで自分が寝ていた所は草が根の方から折れまがり体の跡が残っている…と、言うより…その部分しか跡がないのだ!?ここまでたどり着いた形跡がない!
その部分以外は草がしっかり立っている。
試しに立っている草にむかって歩いてみる、平泳ぎをするように両手で草を掻き分けながら数歩進む
立ち止まり後ろを振り返ると草は左右に倒れ込んでいる。歩いた形跡だ。
それを立証した途端、全身に鳥肌がたつ。この今の状況を冷静に考えると頭がおかしくなりそうだ
自分は空から落ちてきたのか?
ここは何処なのか?
何故ここにいるのか?
これからどうすればいいのか?
不安 苛立ち 絶望。
呆然と立ち尽くす自分。
自分の心臓の鼓動以外、音すら無い世界。風も無く草達も無声。
どこかに人はいないのか
探してみよう
再び平泳ぎで草を掻き分け歩きだす
……………
………
…。
ここで目覚める前の記憶…思い出せない……
……
昨日の事が思い出せない…
……
…………
何も思い出せない…
…自分が誰なのかも……
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