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「ハル君の声好き」   ソラにそう言われて、ハルは目を細めて笑いました。   「ソラちゃんが笑ってくれるなら、僕はずっと歌うよ」   その時でした。 2羽の前に黒い大きな影が立ちはだかりました。 お母さんオオカミです。 「ソラちゃん!」   とっさにハルはソラを背中から払い退けました。 払われたソラは転がり、木の根本にぶつかりました。   「痛いよ、ハルく…!?」   それ以上声を出す事はできませんでした。 背負われていたからソラにはオオカミが見えていなかったのです。   「逃げて、ソラちゃん!!」
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