1話 君と僕と歌と

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「デリーモ?どうしたの?」 はっと我に帰ると 目の前でヒラヒラとにょすが手を振っている 智昭がシスターを歌っている 悲しみが友のように 語りかけてくる 永遠によりそって僕らは 生きていく なんでよりによって こんなときに過去の恋愛なんか思い出してしまうのか… 「ごめん。ちょっと考えてた」 へらっと笑みを作る にょすは 「何それ」 と眉毛を下げて笑ったが 智昭はマイクを持って 歌いながら僕を見て 目が合うとふいと目をそらした 「デリーモも歌いなよ~」 にょすが手渡してくれる マイクを受けとろう としたとき軽く手が触れる ドキンと胸がなって ぱっと手を離すと マイクは落ちてドォンと 重い音を響かせた。 「ごめん」 「ははっデリーモ、疲れてる?」 本当どうかしてる。
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