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「デリーモ?どうしたの?」
はっと我に帰ると
目の前でヒラヒラとにょすが手を振っている
智昭がシスターを歌っている
悲しみが友のように
語りかけてくる
永遠によりそって僕らは
生きていく
なんでよりによって
こんなときに過去の恋愛なんか思い出してしまうのか…
「ごめん。ちょっと考えてた」
へらっと笑みを作る
にょすは
「何それ」
と眉毛を下げて笑ったが
智昭はマイクを持って
歌いながら僕を見て
目が合うとふいと目をそらした
「デリーモも歌いなよ~」
にょすが手渡してくれる
マイクを受けとろう
としたとき軽く手が触れる
ドキンと胸がなって
ぱっと手を離すと
マイクは落ちてドォンと
重い音を響かせた。
「ごめん」
「ははっデリーモ、疲れてる?」
本当どうかしてる。
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