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「離れ離れになっても付き合っていような。」
「うん…」
ミカの元気がない…
「私次の電車で行くから」
「わかった」
今までは電車が来るたびに手を引いて時間を無理矢理作っていたのだが、次は最終電車なので引き止められない…
俺はミカの手を強く握った。
「絶対に迎えに行くから…。待ってろよ。」
「うん…」
俺が握っている手にミカは力強く握り返しきた。
それと一緒にミカの膝に落ちる滴を見た。
「やっぱり…行きたくないよぅ…リュウとずっと一緒がいいよぅ…」
ミカは泣きながら俺に抱き着いて来た。
「俺だって、ずっと一緒にいたいよ…」
俺はミカを抱きしめた。
ミカから聞こえるのは小さな涙が落ちる音と泣き声だけだ。
「大丈夫だって、少しの間会えなくなるだけだろ。」
さっきまでは俺が引き止めていたのに、今では慰めている。
俺だって泣きたいよ…
するとミカが急に顔をあげて立ち上がった。
最終電車のベルがなってしまった…。
ミカは涙を拭いながら小走りで電車に向かって行った。
俺はミカを抱きしめた。
今までにないくらいに強い力で。
「俺絶対迎えに行くから!だから、ずっとカレカノでいような。」
「うん!」
ミカは大きくうなずいた。そして俺はミカの唇にそっと口づけをした。
「元気にしてるんだぞ。」
「うん」
ミカは優しく返事をして急いで電車にのった。
その時俺の頬を涙が伝っていた。
ミカに見られなくてよかった…。もし見られてたら余計に心配をかけるだろう。
「ミカ…」
俺に残されたのは涙で濡れた右手に残ったミカの温度と思い出だった…
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