~第3章~

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~関ヶ原~     蘭丸 「さあ、死になさい❗」 刀を振り上げ、斬り掛かったその時。 刀は弾かれた。   蘭丸 「な⁉何奴⁉」 その視線の先には、尺杖と大きな三度笠が見えた。   謎の僧侶 「お久しぶりですね、蘭丸殿?およそ三百年振りですね?」 僧侶は三度笠を手で上げ、蘭丸を見つめる。   蘭丸 「き…、貴様は❗明智左馬助⁉何故この時代に生きている⁉」 驚きを隠せないでいる蘭丸。   謎の僧侶 「今の私の名は、南光坊天海その名は捨てました」 僧侶は、南光坊天海と名乗り、雷とつぐみの下にひざまづき、つぐみの腹部に右手を雷の額に左手を翳す。   雷牙 「あんたは?」 力無く天海に、問う雷。   天海 「貴方の中に眠る、力を少しだけ目覚めさせるだけです」 そう言うと静かに、お経を唱え始める天海、すると温かな光りがつぐみの腹部を包み傷が消えていく。   雷牙 「つぐみ❗」 雷が叫ぶと、つぐみが目を覚ます。   つぐみ 「雷君…、痛いよ」 そう呟くが、微笑を浮かべながら雷牙の背中に手を回す。   天海 「さあ、此処からは私の戦いですね………、蘭丸三百年前の決着を付けましょう」   蘭丸 「貴様だけは、御館様を暗き棺に閉じ込めた貴様だけは許さん‼」 狂気地味た鬼のような顔で天海を睨み付ける。
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