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「今まで本気じゃなかったってのか?笑わせるなよ!」
松原は怒り、竜真を押さえつけようとしたが、竜真は松原を殴りとばした。
赤龍の身長は210㎝、竜真の身長は177㎝だが、松原にとっては、赤龍と同じくらいの力に感じられた。
竜真は立ち上がり、剣を両手で持った。
松原もすぐに起き上がり、竜真に突進する。
「てやーっ!」
竜真は叫び、剣に水色のオーラをまとわせて振り下ろす‐『天空裂爪(テンクウレッソウ)』を出した。
松原に剣は当たらなかったが、すさまじいかまいたちで松原は体を切り裂かれた。
「うぉあぁっー!」
松原は断末魔の叫びをあげて倒れた。
「松原ぁっ」
入江は仲間の死を見て悲痛な叫びを上げる。
「てめえ…絶対に許さねぇ!ブッ殺してやる!」
入江は竜真に突進して、足元を切りつけた。
「くっ」
思わず竜真はひるむ。
「まだまだぁ!」
続いて、入江は竜真の髪をわしつがみにして、顔を地面に叩きつけた。
そして、竜真を踏みつけまくる。
「オラオラ、松原の痛みを味わえ!」
さらに、竜真の頭を蹴ろうとした。
竜真は入江の足をつかんで、入江を引き倒した。
素早く起き上がって、剣を構えるが、入江もすぐに起き上がる。
「しぶとい奴め!」
入江は剣を突き出すが、竜真はそれを弾き返した。
次に、入江は剣を振り払ったが、それも竜真に受け流される。
「そろそろこっちから行かせてもらうぞ」
竜真はそう言って、剣を突き出そうとした。
入江はそれを見て防御の構えをとった。
だが、竜真は突くと見せかけて剣を振り上げて素早く振り下ろし、入江を切りつけた。
フェイントをかけて敵の裏をかいた攻撃を出す『変化刃(ヘンゲジン)』を使ったのである。
入江は地面に膝をつくフリをして、竜真に砂をかけてきた。
竜真がそれを防いだスキをついて、入江はまわし蹴りを食らわせた。
竜真は入江をにらみ、
「お前にはこれを使う必要があるようだな」
と厳しい口調で言った。
竜真の剣が金色に光ると、竜真は入江に三日月を描くような軌道で切りつけた。
軌道を追って数枚の花びらが出た。
『月花光刃(ゲッカコウジン)』を食らわせたのだ。
入江は即死だった。
断末魔の叫びを上げるヒマもなかった。
竜真が他の賊将たちをにらみつけると、彼らは唇をかみしめて逃げ去った。
竜真は赤龍に近づき、赤龍を起こして、その場から去っていった。
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