大嫌いな父との別れ

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家族の過去を知っているときあなたはどうしますか? その家族はとても大切な人です 家族だから当たり前だけど でもその家族は本当の家族ではありません しかも記憶がありません そんなとき……あなたはどうしますか? 『いいな、黒屡。 これからこいつがお前の執事だ。』 父はそう言って黒屡に一人の赤ん坊を渡した。 古式 氷。それが赤ん坊の名前だった。 黒屡もまだ8歳。 こんな赤ん坊を押し付けられても、 何もできなかった。 ただ、思うのはひとつだけ。かわいそう。 『父さん、本当にいいの? こんな赤ん坊を連れてきて。 返してあげようよ? 父さんと母さんの顔を知らないなんて、かわいそうだよ。 思い出も、きっと欲しいと思うよ? 僕にはメイドさんがたくさんいるから。』 『何も知らない子供が口を挟むな。 お前は俺に従っていればいい。』 正直むかついた 初めて知った怒り 俺はきっとそのときから 迷っていたんだろう こいつの未来を
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