大嫌いな父との別れ

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それが今日は傷つけることをしようとしている。 「ふざけんな!俺たちは、お前の玩具じゃねぇんだ!!」 「黒屡さん!!」 技を放とうとする黒屡を、氷は一生懸命とめた。 それでも暴走は収まらない。 先程のメイドが、黒屡を気絶させるまで、 彼はまだ、攻撃をしようとしていた。 気絶すると、いっきに闇が消えていく。 蝋燭の火も、消えていた。 「こいつを部屋に入れておけ!! 鍵をかけておいて、部屋から一歩も外に出すな!! 命令だ!!」 それから、黒屡の部屋から毎日のように 「出せ!」 「ここを開けろ!!」 という叫びが聞こえるようになった。 庭を掃除しているときも、廊下を通るときも、 必ず聞こえてくる叫び声。 氷はどんどん、悲しみの表情を浮かべるようになっていた。 どうしてそんなに怒っているんだろう。 とても疑問だった。 「黒屡さん……」 氷は鍵を持ち出した。 それは、黒屡の部屋の鍵。 真実が知りたい。 その思いを胸に、黒屡の部屋の前に行った。 力尽きてもなお、その声はとどまることを知らなかった。 「出せ……。出してくれ……」 「黒屡さん、僕です。氷です。今開けますから。」 「お前……。お前は駄目だ。追い出されちまう。」
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