0人が本棚に入れています
本棚に追加
それが今日は傷つけることをしようとしている。
「ふざけんな!俺たちは、お前の玩具じゃねぇんだ!!」
「黒屡さん!!」
技を放とうとする黒屡を、氷は一生懸命とめた。
それでも暴走は収まらない。
先程のメイドが、黒屡を気絶させるまで、
彼はまだ、攻撃をしようとしていた。
気絶すると、いっきに闇が消えていく。
蝋燭の火も、消えていた。
「こいつを部屋に入れておけ!!
鍵をかけておいて、部屋から一歩も外に出すな!!
命令だ!!」
それから、黒屡の部屋から毎日のように
「出せ!」
「ここを開けろ!!」
という叫びが聞こえるようになった。
庭を掃除しているときも、廊下を通るときも、
必ず聞こえてくる叫び声。
氷はどんどん、悲しみの表情を浮かべるようになっていた。
どうしてそんなに怒っているんだろう。
とても疑問だった。
「黒屡さん……」
氷は鍵を持ち出した。
それは、黒屡の部屋の鍵。
真実が知りたい。
その思いを胸に、黒屡の部屋の前に行った。
力尽きてもなお、その声はとどまることを知らなかった。
「出せ……。出してくれ……」
「黒屡さん、僕です。氷です。今開けますから。」
「お前……。お前は駄目だ。追い出されちまう。」
最初のコメントを投稿しよう!