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始まりの章、鐘、証。
ボクの名前は、木原閃。
閃きと書いて、ヒカル。
ロボットやメカが好きで、ヒーローが好きで、絵を描く事や物語を作る事が好き。
数学が嫌いで、美術や体育とか実技が好きで、マンガもゲームも好きで、注射と歯医者が恐い。
後、セロリが大嫌い。
そして、将来の夢はマンガ家。
…そんな、今時どこにでもいる、普通の高校1年生。
何か変わってる所と言えば…どんな状況でも一切緊張しない事。
それから…150㎝を越えるか越えないかと、毎年の健康診断の身長測定に小さな誤差を期待する、低身長。
稀に小学生と間違えられさえする。
男子として、これは悲しい。
後は、自分自身ですらどこから仕入れたか分からない知識が、頭の中に転がっている事。
何故か幼稚園の時に、RPGなどですっかり有名な「地獄の番犬・ケルベロス」を知っていたのは、今でも謎だ。
…ともあれ、ボクは現代に生きる割と普通の高校生。
毎日平和に学校へ行かせてもらって、それなりに楽しい1日を送って、温かい布団にくるまって眠れば、また新しい普通の1日がやって来る。
別に、よくある普通っていう繰り返しに飽きたとか、そんな事言う積もりは無いよ。
毎日何かしら面白い事はあるし、凄まじい飽き性でもないし。
――ただ、あの日を境に、ボクの生活は刺激的過ぎる物に変わったんだ。
そう、あの日から――…とかベタな台詞で申し訳ないんだけど、でも他には思いつかないぐらい、あの日は驚きに満ちた日だったんだ。
薄暗闇に光る、ナイフの刃。
背筋に走る恐怖感。
そして…三日月の空に響いた最高の台詞と、涼やかな風にたなびく赤いスカーフ。
ボクの造り上げて来た道、人生は、あの日にスタートラインを引いていたんだ。
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