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『あたしこぉと早く結婚したいなぁ。』
ちょっとドキドキしながらさりげなく言ってみたのに、
『俺もちぃとなら結婚したいけど、お金ないし、まだ若いし、まず周りが反対するでしょ』
とさらりと返された。
『お金なんてなんとかなるよ、あたしだって貯金あるし。』
『でもまだちぃは未成年だし。』
『…じゃあ、先に子供作っちゃえばいいんだよ!
こぉの赤ちゃん欲しいし、早くママになりたかったし!』
反対されるか…
安易だって思われるか…
それとも賛成してくれるか…
『…俺、ちぃに話さなきゃいけない事がある…』
そう言ったこぉは悲しい顔をしてた。
なぜか聞きたくない、聞くのが怖い
そう感じた。
こぉは話出すのを戸惑ってる。
その感じた怖さを言葉にして返した。
『…もしかして…堕ろさせた…事がある…?』
声が震える。
こぉは申し訳なさそうに頷いた。
泣きそうで喉が痛い。
とっさに溜めてたお風呂に入った。
何も返せなかった。
中絶…
私は中絶は絶対反対だった。
それから…
母は結婚前から父の暴力に悩んでいた。
別れようか悩んでいた時、私ができた。
母の母、祖母は中絶を選べと言った。
でもどうしても母は産みたかった。
そして産んでくれたんだ。
自分の人生を犠牲にして。
だから私はいつ子供ができても絶対産む。
そう思っていた。
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