序章  終焉の訪れ

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「ギャアアアアー!」 車から降りてすぐ、俺は現場に轟くものすごい絶叫を聞いた。二重三重に現場を取り囲む人垣をかきわけ、その中心へ進む。 いつものことだ……。 喧嘩の現場ではこうして当事者を中心に、土俵でもあるかのように野次馬の輪ができる。 だが何か妙だ。 この静寂……人々は固唾を飲むというよりも呆気にとられているように見える。 しかし土俵──ではないのだが──までたどりつきその中心を見た時、俺もまた野次馬の気持ちを知ることとなった。 なんだ……これは……。
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