序章  終焉の訪れ

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路上に血だらけで横たわる男の姿がある。 先ほどの悲鳴の主だろうがもう声を発してはいない。 破れた衣服からのぞく肌には肉がえぐれて露出したところがある。深い傷は骨まで達しているようで、流れ出る血の中に白いものが見える。 男は小刻みに痙攣し、それに合わせ首筋からは断続的に血が吹き出している。 後ろの野次馬から嘔吐の音が聞こえた。 無理もない。刑事の俺でもなかなか見ることがないほど凄惨な状況だ。
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