序章  終焉の訪れ

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だがこの猟奇的な光景の中にあって最も恐ろしいこと。 それは血を噴いて倒れている男の胴体に、なおもかぶさって動いている男の存在。 あの動き……両手でつかんだ何かを口元に寄せ頭が上下に小さく動いている。 何かを噛む動きだ。 食べている……!? 何を……。 そして男が顔を上げる。 生気の感じられない乾いた肌、焦点が合わず澱んだ瞳。口の端からぶら下がっているのは…… 血に染まる何かのかけら。 あれは……内臓!? 俺がそう気付くのと現場の野次馬達が悲鳴をあげるのはほぼ同時のことだった。 …………… ……… …
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