━侵攻━

8/10
前へ
/47ページ
次へ
根室と網走はほぼ同時に爆撃を受けた。 通常のミサイルなので膨大な死者が出た訳ではなかったが、ビルや建物を主に破壊したのに加え、日本社会全体に与えた衝撃はとても大きかった。 ロシアは戦闘過敏症の日本の性格を読みとっていたのだろう。 政府がとにかく一般人を避難させ、自衛軍が到着する間の手薄な所を突いてロシアクーデター軍の艦隊が侵入、一気に上陸した。 根室と網走は事実上占拠されたも同然で、クーデター軍の拠点となっていく。 政府は米国に助けを求めたが、合衆国議会は経済的混乱から下院議員が派兵に猛反発、米軍は凍結状態になっていた。 韓国や中国も自国の防衛に必死で、兵を送る余裕がなかった。 日本政府は非常事態宣言を発令し、対策委員会を設置。本当の実力のみでの戦闘を余義なくされた。 23日にはロシア軍の後続10万が上陸、その勢いに圧された自衛軍は防衛線をジリジリと後退させ、十勝支庁への侵入を許してしまう。 対策委員会は、即効性のある攻撃部隊『主力重装甲機動隊』の出動を決定した。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加