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─8月2日深夜:新千歳空港近辺上空─
「──こちら第一輸送大隊。現在高度1000。第二滑走路への着陸許可を求める。」
〔─こちら管制搭。着陸を許可する。〕
「了解。コックピットから機内へ、今から着陸体勢に入る、繰り返す、今から着陸体勢に入る。」
輸送機の一群は、黒い大きな翼を一斉に傾けて滑走路へと向かった。
タイヤが荒く擦れる音をたてながら、次々と輸送機が閉鎖された空港の滑走路に着陸する。
そして、一番先頭の機が出迎えの兵が並ぶ搭乗口付近でゆっくりと停止した。
空気が激しく噴き出す音と共に後部ハッチ(扉)が重々しく開く。
黒い戦闘服を来た隊員達が大きなケースを続々と運び出す。
そんな中機内から一人ゆっくりと出てきた男がいた。
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