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「辻崎少佐!」
辻崎と呼ばれた色白で小柄なその男は、地面で敬礼している兵達に軽く手を挙げ降り立った。
「園田中尉、出迎えご苦労様です。」
少しハスキーがかった高めの声で辻崎は言った。
「ゴツい装甲服に身を包んだ兵がたくさん降りて来ると思っておりましたが、そうでもないようですね。」
「まあ、戦闘はまだですし疲れてしまいますからね。戦況は?」
空港内へと歩きながら喋り続ける。
「良くありません。ロシア軍は南の釧北峠を越えました。明日には十勝平野に出て来るでしょう。北見峠の方はまだ交戦中ですが、突破されるのは時間の問題かと。」
「そうですか。まぁ、北は旭川までは行かせてあげましょぅ。十勝の方は作戦通り午前0時に全部隊で急襲をかけます。輸送路の確保は大丈夫ですね?」
「はい、整ってます。」
「二・三甲機も陸路で今こちらに向かっています。後数時間で到着するでしょぅ。警護部隊の編成は?」
「既に終わっています。」
「よろしい。」
2人は正面ゲートに着けてあった車に乗り込み、複数のジープに囲まれて空港を後にした。
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