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─2069年8月2日深夜:函館上空5000m─
月だけが光を放つ真っ黒な空に、雲の中から重く低いジェット音が空気を振るわせ響き渡っていた。
それは段々と大きさを増していく。
その時、雲の中から30程はあろうかという軍の大型輸送機の一群が、光を点滅させながら現れた。
周囲には、警戒するように戦闘機が数十機並行している。
そしてその一群は、密集したまま北に針路を真っ直ぐとって行った。
話はここから約10日程前へ遡る。
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