∥黒鬼の雄叫∥

2/2
前へ
/47ページ
次へ
─2069年8月2日深夜:函館上空5000m─ 月だけが光を放つ真っ黒な空に、雲の中から重く低いジェット音が空気を振るわせ響き渡っていた。 それは段々と大きさを増していく。 その時、雲の中から30程はあろうかという軍の大型輸送機の一群が、光を点滅させながら現れた。 周囲には、警戒するように戦闘機が数十機並行している。 そしてその一群は、密集したまま北に針路を真っ直ぐとって行った。 話はここから約10日程前へ遡る。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加