━侵攻━

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─7月21日午前8時32分:根室航空基地─ その日も職員達は、通常どおりの業務を行っていた。 20日に起きたロシアの軍事クーデターを知って、それなりの警戒はしていたものの、クーデターの目的の声明は発表されていなかったため、対岸の火事としてそれほど重視していなかった。 誰一人として自分のいる場所が戦場になるなど考えなかっただろう。 「ん?」 レーダーを監視していた職員が声をあげた。 「課長!」 彼の声が管制室に響く。 その場にいた全員が顔をあげる。 「どうした?」 「課長…これ、民間機じゃないです。」 課長の山田もレーダーを覗き込む。
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