プロローグ

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朝、携帯を見るとメールが1通。 私が昨日メールを送った相手からだった。 「ありがとう、ねぇ…。 随分と簡素だな」 苦笑しながら溢した率直な感想だった。 それでも返信したのは『大切な運命の人』を探すこの人が自分に似てる気がしたから…。 もう恋愛をするつもりは無い。 ただ孤独な自分が頭の中で運命の人になってしまえと囁き続ける。 たった一人を心で愛し、身体と未来を代償に愛を得よう…。 相反する自分。 もう苦しみたくは無い…。 誰ももう、傷付けたくは無い。 すぐに相手からメールが返って来た。 文面はやっぱり簡素。 『少し電話してみませんか? 構わない場合は僕から電話します』 …正直迷った。 他人に自分の情報をバラすのは好きじゃない。 しかも今日の朝知り合ったばかり。 余りに軽薄過ぎる…。 それにもしダメだった時の事を考えると、やはりどうしても躊躇う…。 「まぁ良っか」 どうでも良かった。 もう良いよ。 諦めたんだろ自分の事。 全て捨てたんだ…。 電話番号を教えて程なくして、登録されてない番号から電話が掛って来た。  
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