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真也:「(つくづく人の考えを当てる人だなぁ。)いやいや坂本さん、そんな事ないですよ。」
太田:「くそっ!こんな奴に!」
坂本:「止めとけ、太田。おまんじゃ何回やっても勝てやせん。どれ、真也よ。わしの相手してくれるか?」
真也:「謹んでお受け致します。」
塾生:「おー!坂本先生だ!坂本先生が手合わせするぞ!」
真也も雰囲気からして坂本がただ者ではない事はわかっていた。
真也:(この人に勝てれば、俺はまた一回り強くなれる気がする。)
その時、龍馬は武道場を出た。ざわつく塾生とは裏腹に真也は落ち着いていた。
坂本:「真也、これを使うきに。」
龍馬が持ってきたのは従来の木刀より長い、真也の刀と同じく三尺何寸ばかりの稽古用の木刀だった。
真也:「これは・・・・・?」
坂本:「おまんはそのぐらいの刀の長さに慣れちょるが。その木刀を使えや。」
この計らいには、塾生はおろか流石の真也も驚いた。
真也:「しかしこれでは私と坂本さんの間合いの差が広くなってしまいますよ。」
坂本:「心配いらん!わしも北辰一刀流の免許皆伝の腕やきに。それに防具もつけとる。第一、実戦において相手の武器に臆しちょってはあかんじゃろ。」
太田:「おいそこのお前、俺に勝てるくらいでいい気になるなよ。坂本先生は藩主御前大会で優勝したんだぞ。あの桂小五郎でさえ遅れを取る程だ。」
真也:「御忠告ありがとう。太・田・く・ん。」
太田:「ケッ、ムカつく野郎だ。」
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