疑惑

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「カズマァぁ!いらっしゃーいっ!!」 「っがぁ!!」 軽くドップラー効果を効かせながらの支倉の強烈なタックルを受け、俺は派手に転倒した。 無意味にデカイい玄関の大理石の床に、派手に背中を打ち付けられながら 俺は深く後悔していた。 『やっぱり来るんじゃなかった!』 ・・・・・・・・・・・ 「母さん、俺、最近支倉んちに行ったけか?」 話は少し戻る。 相葉と別れた後、とりあえずカバンやら何やらを置きに一度、家に帰る事にした。 念の為、確認を取ってみたいとも思ったいた。 もしかしたら、、ひょっとして 『相葉の馬鹿』 が会ったのが、 『俺に似た他人』 もしくは 『質の悪い冗談』 の可能性に賭けたかかったのだ。 そんな息子の微かな期待を母サトミ(43)は、一瞬にして打ち砕いた。 「支倉、、あぁユイちゃんちでしょ? 何言ってるの? この間の金曜日に行ったばかりじゃない?」 あぁっ!やっぱり?! やっぱりかぁ!! あぁ!誰も居なければ、大声で叫びたいっ!! 「あのね?カズマ、、。 ユイちゃんは、とっても良い子で、母さんも大好きよ?」 あぁ? 「でもね?二人とも、まだ高校生なんだから」 をぃ、、 「なんて言うのか、、、節度を持った、お付き合いをね、」 をぃをぃ! 「何かあったら時には、女の子の方が傷付くんだからね?」 をい!をい!をい!! 母よ、、そんな風に見てやがったのかっ!! だから、、そんな遅い時間に帰っても、なんも言わなかったのかっ!! あんたの息子は、、そんなに趣味、、、悪くないぞ!! ……ズキッ!!…… 「あうっ!!」 こめかみの辺りに鋭い痛みが走る! 「どうしたの? いきなり変な声出して」 「な、なんでもない」 いろんな意味で打ちのめされた俺は、着替えを済ますと、さっさと出掛ける事にした。 「あら?カズマ! どこ行くの?」 「ん?、、あ、、相葉んとこに、、」 「あぁそぅ?晩御飯までには帰って来るのよ?」 「うぃーっす」 さすがに、あんなやり取りの後に、支倉の家に行くとは言えない。 しゃくだが、途中で携帯で連絡して、口裏を合わせて貰う事にした。 ギガバーガーセット位の出費は覚悟せねばなるまい。 一歩毎に大きくなっていく不安を振り払いつつ、今度こそ『支倉の家』に向かった。
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