kamikazeboy

『Ｍ』が殺された…

「チクショウ！車ボコボコにされてた」「俺なんて単車持って行かれた」フェリー埠頭から一旦引き『溜り場』に集まった『Ｋ』のメンバーはそれぞれの被害を語りあっていた。「オメェら何逃げての？」少年は後輩達に苛立ちをぶつけていた。「あの状態じゃしゃ～ねぇだろ」先輩達になだめられた少年は心の中で言い返した「アンタらも速攻で逃げたからだろ」
「全員集まったら仕返しに乗り込むぞ！」総長の『Ｉ』が言った。「アレ!?『Ｍ』は？」それに気付いたのは事件から３時間位後の事だった。不確かな情報だが、後輩の一人が車に追回され海の方に追詰められる姿を見たと言う話も聞こえてきた。携帯も繋らない…。事件の舞台となったフェリー埠頭は岸壁から水面までの高さが１０ｍ弱有り間違って転落しても自力では登れなく、実際時々死亡事故が起る場所だった。「殺された？」不安な空気が流れるなか更に２時間位が過ぎた…。
バタン！「マジでアイツらブッ殺してやっからやぁ！」いきり立った『Ｍ』が帰ってきた。少年達は喧嘩の怒りよりも『Ｍ』が帰ってきた事でホッとした。
『Ｍ』はやはり海にはね飛ばされ自力では登れず近くに停泊していた大形船に必死につかまっていたらしい。力も尽き「もうダメだ…」と思ったところを偶然乗組員に助けられたと言う。
結局その事件は事の大きさから互いのバックが動いてしまい「ガキらしい喧嘩しろや」と言う指導を受け、５人ずつが代表でタイマンを張ることになった。勿論結果は『Ｋ』が圧勝した。