kamikazeboy

県警の反則技!?(１)

『本日の夜間、暴走族一斉取締の為、周辺住民の皆様方に御迷惑を…』
バイト中の少年達の上空を県警のヘリコプターが放送を流しながら通過した。
『はっ!?何これ？』
その地域では一斉取締は珍しい話ではなかった。ルート上の橋の上や、駅へ抜けるトンネルの中に、５０台近くの単車が最後尾まで入った瞬間に出口を大形バスや特殊なネットフェンスで封鎖、慌てるところに反対側も封鎖すると言う検挙方法。これを少年達は《シャットアウト》と呼んでいた。
『今日もシャットやるんだな。』
少年達にそれ程焦りは無かった。今までも時々行われてきた《シャット》だが、バスの隙間から逃げる事が出来たり、先頭集団がフェンスを突破するなど意外にどうにかなるものだった。
甘く見ていた…。
いつも通り町外れに在る小学校前に集まった少年達はヘリの話で盛り上がっていた。時間になりいつも通りに走り出したチームＫ。その後、次々と同じ連合のチームと合流し一気に単車だけで５～６０台の巨大な群に膨れ上がった。
…次章に続く。