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ようやく演劇部室の前までやってきた
部室と言うより、小ホールと言ったほうがいい大きさだった
扉の向こうからは、色んな声が聞こえてくる
「…入らないんですか?」
もうここに着いてから十分以上経っている
「…何て言って入ればいいのか分からないんですのよ」
こういうことは部長である政宗の専売特許であった
沙羅は始めて置かれた状況に戸惑う
「もう!そんなんじゃ何も始まらないわよ!こういう時は勢いよ!」
悠が痺れを切らし、勢いよく扉を開けた
中で練習中だった部員達が一斉に悠達を見る
「失礼しま~す」
そんな視線を無視するかのように悠は堂々と中へ入っていく
沙羅と慶もそれに続いた
「一体、何用ですか?」
一人の整った顔立ちの男が悠へと近付いてきた
凛々しいといった言葉がピッタリの男だった
「どうも報道部の柳下 悠です。今回、演劇部の活動を取材させてもらおうと思うんですけどよろしいでしょうか?」
「待っててくれ。今、部長を呼んでくる」
男はそういうと衣装部屋と書かれた部屋へと向かっていった
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