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「うわぁ…凄いですねぇ」
慶もしばらく、開いた口が塞がらなかった
「沙羅さんこれ凄…ってあれ?沙羅さん?」
沙羅は慶から離れ、勝手に部屋をあさっていた
「赤い着物…赤い着物…」
しかし、そのような物は全く見当たらない
それでも沙羅は何かないかと部屋の隅々まで探した
すると奥の衣装に埋もれるように、桐の箱が置いてあった
沙羅がその箱を開けようとしたその時、後ろから声がした
「おい、あんた。何やってるんだ?」
沙羅が振り返ると、そこには先程、出迎えてくれた男が立っていた
「いや…あの…これは…」
「どうした?」
男の声を聞き、舞子達もそこにやってきた
「沙羅さん!勝手に動かないで下さいよ!結構この中、広いんですから!」
「も、申し訳ございません…」
悠に怒られて、沙羅は借りてきた猫のようにおとなしくなってしまった
慶にはそれが新鮮に感じられた
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