幻美人

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「あ~あ…彼女欲しいなぁ」 地下にある心理研究部室にて、部員の一人である上田が嘆く 「こんなとこで毎日トランプやってるような奴にはできないだろうな…俺も含めて」 部長の大山もため息をついた 「ほんと、ヒデにだけいるって信じられないな」 渡邉は照れ笑いを浮かべる 「彼女が欲しいのなら幻美人でも探してきたらどうだ?彼氏がいるという話も聞かんし。どうせお前ら、暇を持て余しているんだろ?」 少し離れた所で本を読んでいる副部長の素子から冷やかしがとぶ 「素子さん、これは立派な部活動。暇なんか一つもないの」 「第一、本当にいるのかよ…俺ぁ見たことないぞ?ミゾの言うことは信用できんし」 「俺はこの目で確かに見たんだよ!」 「運がないから見つからないんじゃないの~?」 渡邉が上田からカードを引く 上田の手元にはジョーカー一枚だけが残った 「よかったな上田!笑顔が素敵な彼女がいつでも側にいてよ!」 「うるせっ!もう一回勝負だ!」 今日も心理研究部は賑やかだった
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