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瞬間
捷は男の足に向かって意識を集中させた。
いきなりタンクは歪み、裂けた穴から水が四方に噴射した。
男は瞬間上に『浮』んでその衝撃の範囲から逃げていた。
空中でピタッと止まった男は反射的に捷がいたあたりにめがけて衝撃を撃ち込んできた。
波動はフェンスをゆがめ床にヒビをはしらせた。
が、すでにそこには捷の姿はない。
いつのまにか男の背後に浮かんでいた。
捷は男の背中を踏みつけるように蹴りつけた。
蹴りつけた右足の周りが歪みで陽炎のように揺れている。
男は人が蹴ったとは思えない速さで一直線に飛ばされた。
別の屋上に胸から叩きつけられた男はみるからに大げさ弾み上がった。
叩きつけられた反動を利用して身体を一回転させ体勢をととのえようとしていた。
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