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着地したとたん、男は左にバランスを崩したが、思いもよらない激痛に右膝をついて動きを止めてしまった。
左足の脛から下が不自然な方向に三カ所で曲がっている。最初の衝撃ですでに折られていたようだ。
捷は男から少し離れたところにふわりと着地した。
片膝をついた男は血走った目で捷を睨みつけている。
左手で押さえた胸はよほど強く打ったらしく、苦しさからか異常なほどの汗が吹き出していた。
「捕まえても何も喋らんぞ」
男は挑戦的な言葉をぶつけた。
捷は無言のまま男にむかって左腕を振り払った。
衝撃が斜めに走り、袈裟がけに胸を裂いた。
男はそのまま後ろに倒れ込んでしまった。
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