解決編

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ナイフがエースに刺さった。つまり残る二人のうちエースが殺されたと解釈して大野が容疑者から消える。残るのは市川。さらに市川はエースキラーの異名がある。つまり市川が犯人だ 俺の推理を聞いた市川が反論してくる 「ま、待てよ屑家。密室の件はどうするんだ?鍵がかかってたんだぞ?」 「簡単なことだよ。初めから密室なんてなかったんだ」 全員が驚きの反応を見せる 先生の部屋の前で騒いでいたことを思い出してほしい。この中で唯一ドアの付近にいたのは市川だ。大野は俺と話していたし赤石も近くには居なかった さらに市川は旅館の主人達が合鍵を持ってくるのも待たずにドアを壊して突入。あのドアはおそらく元から壊れていた。市川が先生を殺すために壊したんだ つまりあの状況でドアが壊れていないフリが出来てなおかつダイイングメッセージに当てはまるのは市川しか居ないんだ 「ぐ…」 市川が歯を食い縛りうつむいた。極端に人数が少ない合宿にしたのも人気のない旅館を選んだのも目撃される可能性を極力低くするためのもの。それができるのは顧問を除いては主将以外には居ないんだ 市川はガクリと肩を落とし犯行を認めた。動機は卒業後すぐにプロ入りすると告げた時に『オマエにはそんな力はない』と言われたからだそうだ 打撃だけではプロになっても成功しないということを先生は言いたかったのだろうけど市川にとっては自分が弱者扱いされてプライドにさわったのだろう こうして俺たちの散々な合宿は終りを告げた END
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