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さて、サバイバルの経験なんて全くない俺。木の実でも集めようかと歩き回っていると木をへし折る音が聞こえた。まぎれもなく市川だ
「おい市川、何してんだよ」
「釣りでもしようかと思ってな」
そう言うと市川は何やら作業をしだした。かなり夢中になっていて俺のことなど完全に無視だ
仕方ないのでまた森の中をウロウロする
いきなり小枝が俺に向かって飛んでくる。不覚にも額に当たってしまい俺は声を出した
「あ、悪い。当たっちまった」
出てきたのは赤石と大野。どうやら二人は弓を作ったらしい。その性能を確かめるために放った枝が俺に当たったということだ。今から先を尖らせて矢にするところだったらしい。危なかった
さらにウロウロしていると先生が木の棒をグリグリと何かに擦り付けていた
「おお屑家。火を起こすってのは難しいなぁ」
闘将と呼ばれる先生だが普段は気さくな人で、ナゾナゾを出してきた
「アンパン、食パン、メロンパンがある。この中でピアスをしていたのはどれだ?」
「食パンでしょ。ミミがあるからね」
俺が即答すると先生は残念そうな顔をした。先生の出すナゾナゾは俺にとっては簡単なものだったが俺の楽しみの1つでもあった
そうこうしているうちに日はすっかり暮れていて俺は自分の飯の材料を取ることを忘れていたことに気付いた
夕食は各自、自分の部屋で食うことになった。俺は何もない。腹が鳴る。だが何もない。俺は空腹に耐えることができず他のメンバーに分けてもらうことにした
赤石の部屋で採取したものを見せてもらった。木の実と果物が数個ある。例の木弓のおかげで高い場所になっている物も取れたのだと自慢げに話してきた
しかし量が少ない。大野と半分にずつにしたということだから当然か。この分だと先生や市川もこんなもんだろう。俺は飯は諦めて寝ることにした
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