5214人が本棚に入れています
本棚に追加
耳元で一番聞きたくない声。
私の思考回路はむなしく断たれた。
「へぇ、咲は耳が弱いんだぁ」
誰にも聞こえない位の小さな声で、けれど私には耳元のためしっかり聞こえた。
「キィャァァァァァァァア!!」
はい、お約束の反応。
そんなにいいかねぇ? コイツ。
「俺のほんとの事言ったら犯すよ?」
なおも耳元で呟く黒川。
「いっ……」
「えっ?」
「いい加減にしやがれぇ!!!!」
私、キレちゃいました。
パコーーーン!!!
威勢のいい音が鳴り響いた。
私が、アイツの頬を拳の裏で叩いた音が。
「呼び捨てすんな!! この『二重人格猫被り野郎』!!」
私はそう叫ぶと教室を出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!