学園の王子

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黒川side               「いっつぅ~」                かなりキイたよ、さっきの裏拳。               「ねぇ、さっきの『二重人格猫被り野郎』ってどういう意味?」                一人の女子が言った。                俺はすかさずみんなに笑顔を作って配った。               「広瀬さんが勝手に言っただけです。なにか、ストレスでもあったんでしょう」                バカな女は「そっかぁ」なんて言ってやがる。                だけど、一人、俺を睨みながらやって来る女がいた。                すると、いきなりさっきぶたれたほうの頬を平手打ちしてきたやがった。                ぺちんっ!!               「黒川ってそうゆう人だったんだ。――サイッテーね!!」                女はそういうと咲の後を追った。               「ちょっ、美湖っ!」               「大丈夫ですか、黒川様っ!!」                口々に女共が俺を心配するけど、全く耳に入ってこなかった。                ただ、今日今からすることを考えていた。               『アイツ――咲を、俺の家に招くこと』を。
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