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あ、危ない…っ
そんな顔で見られても
「へぇー捺好きな人いるんだ」
「え!?」
驚いて水無月に視線を移すと水無月はニヤリと笑った。
…!
ちょっ、ちょっと待って…っ
「あ、あたしは別に…」
「バレバレ」
「ゔ…っ」
「捺に好きな人…か」
意味深に呟く水無月にあたしは血の気が引いていく。
まなみはハラハラとあたしたちを見ていた。
「まぁいいやっ、また来るね♪」
「えっ…水無月!?」
い、一体何だったの…?
手を振って素早く帰っていく水無月はあたしに理解できるはずもなく。
ただ呆然と今何が起こったのか考えた。
…水無月に、好きな人がいるってバレたのか
ややこしくなりそうだ…
「捺、ごめんねっ」
考え込むあたしはまなみの声でハッと我に帰る。
まなみは申し訳なさそうに眉を下げていた。
「いいよ、まなみのせいじゃないから」
「でも…あたしが…」
「いいって!幸いにも人物はバレてないからね」
これこそ不幸中の幸い。
好きな人がいるってバレたけど相手は知られてない訳だ。
……そのままバレないといいけどね…
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