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フワッとシャンプーのいい香りがした。
けどやっぱり男に抱きつかれても、ただゴツゴツしてるだけだ。
って…──
「え…?」
何この状況。
篠原 澤の無数のファン達が俺を見て唖然としていた。
俺は今、篠原 澤に抱きつかれている。
その現場をファンの女子達が目撃してしまったというわけ。
「さわくんっ、ぎゅうするなら私にしてっ」
見るからにギャルっぽいこの女子を皮切りに…
「さわくん、今日こそ私を彼女にしてっ」
「さわくんっ」
「さわくんっ」
なるほど、俺の存在はあっと言う間に消されたみたいだ。
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