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いつも思う、羨ましい限りだよ。     俺は183センチという巨体でありながら存在感は薄く、女子と話すことなんてほとんどない。     話すとしたら           「川原くん、やっと起きた。」     最近、席が近くなってからよく俺に話しかけてくれる朝倉 葵さん。   えへへ、と笑いながらリュックを背負う俺の愛しのマドンナ。         でも俺の名前、川原林なんだけど。     あだ名で言ってるのか本気で川原だと思って言ってるのかよくわからない。     授業中、(存在感が薄すぎて)滅多に先生に指されることのない俺だし、本気ということだってありえると思うんだ。
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