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「人は、魔王バラモスと呼ぶ。
このアリアハンからいくつもの勇者が旅立った。
しかし、誰一人として帰ってこない」
シャアは、このフィクションじみた話に飽き始めて来た。
アムロはようやく開放された口の回りを撫で始めた。
(バラモスか…)
「どうやら、異世界らしいな」
馬鹿げた発言だと思ったシャアがようやく、アムロの顔見た。
「映画の撮影じゃないのか?」
「撮影隊がいないのにか?」
「テーマパークとか」
「なわけないだろ。気付いてる筈だ、認めろ、シャア」
シャアは口を閉じた。
レビル王は二人の話が終わるのを待ってから話を続けた。
「魔王バラモスは次元を割って来たという。
そちらが、異世界からこの世界に来たというなら、バラモスを倒せば、バラモスから異世界への帰り方を聞けるかもしれんぞ」
「なわけ…」
と言いかけたシャアの口を逆に封じた。
「バラモスは何処にいるんです?」
「わからぬ。
世界は広い。旅をし、知識を得よ。
そこに答えはあろう」
(アバウトな…)
シャアの頭の中にこれからの絶望が過ぎった。
「これは、私からの餞別だ。」
お付きの大臣から、銅の剣二本と、100Gを貰った。
「まずは、酒場に行き仲間を集めよ。
君達に期待する」
王様は、それだけを言うと奥に引っ込んで行った。
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