第一章『始まりの都』

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「人は、魔王バラモスと呼ぶ。 このアリアハンからいくつもの勇者が旅立った。 しかし、誰一人として帰ってこない」 シャアは、このフィクションじみた話に飽き始めて来た。 アムロはようやく開放された口の回りを撫で始めた。 (バラモスか…) 「どうやら、異世界らしいな」 馬鹿げた発言だと思ったシャアがようやく、アムロの顔見た。 「映画の撮影じゃないのか?」 「撮影隊がいないのにか?」 「テーマパークとか」 「なわけないだろ。気付いてる筈だ、認めろ、シャア」 シャアは口を閉じた。 レビル王は二人の話が終わるのを待ってから話を続けた。 「魔王バラモスは次元を割って来たという。 そちらが、異世界からこの世界に来たというなら、バラモスを倒せば、バラモスから異世界への帰り方を聞けるかもしれんぞ」 「なわけ…」 と言いかけたシャアの口を逆に封じた。 「バラモスは何処にいるんです?」 「わからぬ。 世界は広い。旅をし、知識を得よ。 そこに答えはあろう」 (アバウトな…) シャアの頭の中にこれからの絶望が過ぎった。 「これは、私からの餞別だ。」 お付きの大臣から、銅の剣二本と、100Gを貰った。 「まずは、酒場に行き仲間を集めよ。  君達に期待する」 王様は、それだけを言うと奥に引っ込んで行った。
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